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【六本木アイドルフェスティバル2025ライブレポート】東京女子流、夕暮れに咲いた洗練と熱狂
テレビ朝日が主催する真夏の恒例アイドルイベント『六本木アイドルフェスティバル2025』が、7月26日(土)&7月27日(日)に六本木ヒルズアリーナにて開催された。両日合わせて40組を超えるアイドルが、野外ステージで多彩なパフォーマンスを披露し、六本木に大きな熱狂をもたらした。本稿は、7月26日に出演した東京女子流のライブレポートとなる。
2026年3月31日をもって解散することを発表している東京女子流。夏の『六本木アイドルフェスティバル』への出演はこれが最後となる。
SEなしで4人がステージに登場すると「夏の密度」のイントロが流れ出し、“こんばんは!東京女子流です!”と挨拶。そのままシティポップを思わせる洗練されたサウンドに乗せてしなやかなダンスをくり広げ、伸びやかな歌声を響かせる。4人は品のある微笑みをたたえており、優雅な雰囲気も醸し出し、楽曲の世界観をしっかりと表現していた。そんな4人のパフォーマンスに観客はコールなどで応えるのではなく、リズムに合わせて緩やかに踊っていたのが印象的だった。
“一緒に楽しんでいきましょう!”の声とともにクールなR&Bナンバー「導火線、フラッシュバック」へ。ここではしなやかさに切れ味の鋭さを加えた圧巻のダンスを披露。特にブレイクから動き出す場面でのスピード感ある身のこなしには目が釘付けになってしまった。もちろん、感情を抑えたクールな歌声も、やはり楽曲の世界観を端的に表現したものだった。
「深海 Hi-ra mix」では、新井ひとみがしっとりとした歌声を聴かせれば、庄司芽生がファルセットで伸びやかな歌声を披露するといった具合いに、歌声でも会場を魅了。一方、その動きはさらに切れが増し、アウトロで4人の複雑なターンが綺麗に揃うと、会場からは感嘆の声が上がった。


“声出して行けますか?”と山邊未夢が声を上げて突入した後半戦は、雰囲気を一変。「datura」のイントロに乗せて“ハイ!ハイ!”の大コールが巻き起こり、フロアもにわかに活気づいていく。中江友梨が歌いながらクラップを促すと、今度は大きな手拍子が鳴り響き、会場のテンションも急上昇。コールとクラップで4人を盛り立てていく。熱狂する観客を見て中江が“RIF最高!”、庄司が“六本木アイドルフェスティバル、大好きです!”と声を上げていた。


ラストはアップテンポな「Attack Hyper Beat POP」をにぎやかにパフォーマンス。サビでは“全員回せ~!”の声でタオルを振り回し、“みんなでいくよ~!”の声をきっかけに、歌詞の“ごめんなさい”を大合唱。さらにはステージを暗転し、4人が懐中電灯で照らす演出なども飛び出して、『六本木アイドルフェスティバル』最後のライブを締めくくった。
エンディングのトークで“出演時間が夕暮れ時だったので、それにふさわしい楽曲を用意した”といった主旨の話が出ていたが、その言葉どおり、前半は夕景~夜景が似合うような洗練された楽曲を並べて、しなやかかつクールなパフォーマンスを披露。それは彼女たちにしかできない唯一無二のものだった。もちろん、後半は観客を巻き込み、大きな熱狂を生み出したパフォーマンスも見事。前後半で趣を変えることで、表現力の高さをしっかりと示す。それは15年のキャリアを持つ彼女たちにしか成しえないライブだった。
取材&文:竹内伸一
撮影:河邉有実莉
東京女子流『六本木アイドルフェスティバル2025』セットリスト
夏の密度
導火線、フラッシュバック
深海 Hi-ra mix
datura
Attack Hyper Beat POP