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NANIMONO、「これからも私たちと一緒に未来を見て走ってほしい」新体制お披露目ツアーファイナル開催

インキャ(=陰キャ)に寄り添うアイドルグループ・NANIMONOが、新メンバー2人を迎えた新体制お披露目ツアー『7ちゃんねる』のファイナルを6月21日(土)に東京・神田スクエアホールにて開催した。本ツアーは各地を『大阪板』、『名古屋板』、『東京板』とインターネット掲示板のスレッドに見立てたサブタイトルでPart.1、Part.2の2公演ずつを行ない、Part.1にはそれぞれゲストを迎えた。前日20日(金)の公演は“踊ってみた”動画の踊り手レジェンドたちとのコラボをくり広げた。

煌びやかなSEがフロアを埋め尽くしたTAKARAMONO(NANIMONOファンの総称)が掲げる7色のペンライトに迎え入れられ、“せ〜のでぷっちん!ぷりん!”とメンバー1人ひとり、お馴染みのキャッチコピーを掲げて登場する。

“NANIMONO新体制お披露目ツアー『7ちゃんねる』ファイナル、始まったよー!! 私たちと楽しい新体制、第2章はじめていきましょう!!”

7人がステージに横一列並ぶと、ひなたゆまが声高らかに宣言。クラップのリズムから始まる「アイデンティティー」でライブは幕開けた。

満面の笑みを見せる眠岸ぷりん、こぼれ落ちそうな愛嬌を振り撒いていく輪廻ねるを筆頭に、タイトル通りNANIMONOのアイデンティティをリズミカルに歌って踊る7人。ヲタク文化と近未来のカルチャーを混ぜたという新衣装は電飾も装備され、溢れ出るアイドルオーラに加えて物理的にも燦々と輝きを放っている。

“右向け右 前ならえ!”とステージ上のメンバーの動きと同じくTAKARAMONOが動く。熱狂とは一味違うNANIMONOらしいライブの温かくピースフルな情景が広がる。“NANIMONOってなにもの?”で始まる楽曲中のメンバーコールタイム。“ポンチーカンして ろんろん”の朝比奈ろん、“生意気べいびー あ~ずあず”の和田あずさ、新メンバー2人に向けたコールは一際大きく響いた。2人のステージングは堂々としていて、7人が描いていくステージはずっとこのメンバーで活動してきたと言われても信じてしまうほどだ。

アッパーなエレクトロビートに乗って、どこかせつなげなメロディが迸っていく「INTERNET MAGICAL GIRL」。キレの良い動きで魅了する紫苑りんか、長い四肢でクールにキメる柊真ミフユと、先ほどとは打って変わり、アーティスティックなステージングが映える。“魔法少女になれなかった 君のヒーローになれなかった”と何度も歌う彼女たちだが、ステージから放たれるキラキラとしたハッピーな魔法がフロアを包み込み、“優しい世界になあれ“と、7人の願いが場内にこだました。その余韻のまま「あの頃、魔法少女になれなかった私へ」とゆまの言葉から名古屋公演で初披露された新曲「魔法少女になれなかった」でその想いをしっかりと届けた。

ツアーを振り返りながら自己紹介へ。“なんでアイドルになったのか?”という質問を新メンバー2人にぶつける。“アイドルを続けてきて1度大きな挫折をした”というあずさ。恐怖でステージに立てなくなり引きこもっていた時、SNSで見つけたNANIMONOから勇気をもらったといい、“NANIMONOに入るためにアイドルになった”と語ると他メンバーは思わず歓喜の叫びをあげる。“アイドルが好きでアイドルから元気をもらっていた”というろんは、見ているだけで自分がアイドルになろうと思わなかったというが、“どんな人にも寄り添うNANIMONOを見て、自分もどんな人にも寄り添うアイドルになりたいと思って、アイドルになりました!”と強く口にした。さらに“自分はアイドルになろうと思ったのが遅かったから、みんなの夢を叶えるのが難しいと思う気持ちはわかるんだけど、私たちがみんなの背中を押せる曲を歌います”と、大阪公演で初披露された新体制初の新曲「もしも私がアイドルになれたら」へ繋げた。

そして呪文のように連呼される“足りないないない”が乱舞する「404」、メンタルが暴走する「どーぱみん!」を連続投下し、“目の前に広がる景色はTAKARAMONOなんだ”という歌詞のとおり、会場はこの上ない多幸感に満ちていく。曲を歌い終えた途端“すごい! めっちゃ声届いたよ〜!”とりんかがフロアのTAKARAMONOへ思わず声をかけた。

“全国ツアーに行きたーい!”“海外遠征に行きたーい!”“武道館に行きたーい!”と3つの願望を7人は声揃えて口にすると、TAKARAMONOと一緒に“エイ、エイ、オー!!”と会場一体の掛け声をあげ、夢へ向かって鼓舞した。

本ツアーでは各地で新曲が披露されている。前日の公演で初披露された「ただただ怠情」は“明日から本気出す!”のフレーズとキャンセル界隈が小躍りする、NANIMONOらしいキャッチーなナンバーだ。さらにダンサブルな「INKYA★STAR」でパリピを気取った7人が狂騒へ惹きずり込み、カオティックな坩堝と化した。

ラストは、NANIMONOのアンセム「ジャージは戦闘服★」。所属事務所OTONA CHILD.の後輩たち、AZATOY、hakanaiのメンバーも総動員で、ネット動画サイトのコメントリストをステージ上で人力にて再現。どさくさに紛れてNANIMONOの宿敵“つらたん”まで乱入する力技で、“米炊けた”様相を演出。加えてこの曲のみ動画撮影OKというすさまじい情報量が会場を埋め尽くした挙句、所属レコード会社テイチクエンタテインメントのマスコット“こぶしまる”まで「www」と草を生やして登場し、情報過多の大団円を迎えた。

シングルとアルバムリリースの告知、されには中盤で7人が語った夢が早くも1時間足らずで叶った全国ツアー開催発表を挟んだアンコール。REAL AKIBA BOYZのネスによる振り付けもインパクトを放つ「ただただ怠情」を再演し、場内は沸きに沸いた。

“みんな優しいから甘えてしまうんですけど、私たちはみんながいないと嫌なの……”とゆまが涙ぐみながらフロアのTAKARAMONOへ向けての言葉をかける。“自分の全部をかけて夢は諦めなければ叶うんだよ、と身を持って証明していくから、これからも私たちと一緒に未来を見て走ってほしいです”と。なんとなく始めた時は何もなかったけど、今は大好きなメンバーとみんながいて、守りたいもの、なくしたくないものがたくさんできた。“今のゆまだから言えること言葉なのかなって思います”その言葉のあとに、どうしても最後に届けたい曲だと「もしも私がアイドルになれたら」を再び最後の最後に送った。

バラバラで自由奔放、そんな印象を持っていたNANIMONOが今、歌とダンス、パフォーマンス、そしてアイドルとしての誇り……そのすべてがギュッと1つになった圧巻のステージを、新体制の7人で存分に魅せつけた。

誰もが知る日本武道館に立つこと。それが、NANIMONOが何者かになる1つのゴール。そしてそこからもっと上の夢に向かっていく——。

この日、MCでそう語られたゆまの言葉が印象的だった。

NANIMONOの第2章はまだ始まったばかりだ。

取材・文:冬将軍

■セットリスト
1. アイデンティティー
2. INTERNET MAGICAL GIRL
3. 魔法少女になれなかった
4. もしも私がアイドルになれたら
5. 404
6. どーぱみん!
7. ただただ怠情
8. INKYA★STAR
9. ジャージは戦闘服★

EN
1. ただただ怠情
2. もしも私がアイドルになれたら